『疾風の章』/(機長として)

ここでは、飛行機操縦者としての話題を取り上げていきます。

「取得している航空従事者技能証明」
自家用飛行機操縦士で技能証明書の画像は「プロフィール」の項に掲載しています。
動力を使用し翼が固定されている航空機(飛行機)の操縦が可能です。
無報酬の操縦のみ行う事が出来ます。

「航空従事者技能証明の種類」
自家用操縦士:無報酬の操縦のみ可能
事業用操縦士:無報酬、有報酬の操縦が可能
定期運送用操縦士:定期的に開設されている航空路線を運航する航空機の機長としての操縦が可能
以上の3種類があります。

「航空機の分類」
「航空機」の定義:人が乗り組んで空中を飛行する交通機関の総称。
「軽航空機」:空気より比重の軽い気体の浮力を利用するもの。
気球:動力を使用しない軽航空機、熱気球、水素ガス気球、ヘリウムガス気球等があります。
飛行船:動力を使用する軽航空機、現代はヘリウムガス飛行船のみ使用されています。
「重航空機」:空気より重く、何らかの手段により揚力を発生させ飛行するもの。
滑空機(グライダー):機体自体には動力を持たず他の航空機に曳航されたり、自動車や巻き上げ機(ウインチ)等によりある程度上昇してから、無動力で飛行するもの。
動力滑空機(モーターグライダー):機体に動力を装備した滑空機、自力離陸が可能なものと滑空中に補助的に動力を使用するものがある。
飛行機:機体に動力が装備されており、自力離陸が可能なもの。
以上が、翼が固定されている航空機(固定翼航空機)
ヘリコプター:動力により駆動される回転翼を持つ航空機、垂直離着陸、空中停止、後進、横方向への飛行等、通常の固定翼航空機とは比較にならない運動性能を持つ。操縦はその分難しく、飛行訓練コストは固定翼機の約3倍と高価である。
オートジャイロ:動力駆動ではない自由回転翼を持つ航空機。ヘリコプターとは違い滑走による離陸を必要とする。但し固定翼機よりは滑走距離は短い。また、離陸時に回転翼を動力回転させ滑走距離を短縮できるものがある。
以上が、翼が回転する航空機(回転翼航空機)
全てで7種類存在します。

「VTOL/STOL」
VTOL:Vertical Take Off and Landing 垂直離着陸 の略語
垂直に離着陸できる性能を持つ飛行機。
ヘリコプター並みの空中運動性能と飛行機の高速性能を持つ。
数種類の方式があり、実用化されている機体の例としては、ジェット機でBAeハリアー(イギリス)、プロペラ機でボーイングV-22オプスレイ(アメリカ)がある。どちらとも STOL(後述)性能を持つ。但し、垂直離着陸を行うと燃費が極度に悪化するので、短距離離着陸を行う事が多い。
STOL:Short range Take Off and Landing 短距離離着陸 の略語
通常の飛行機より短い滑走距離で離着陸できる性能を持つ飛行機。
代表例としては、新明和PS-1/US-1(日本)がある。高揚力装置(フラップ、スラット等)強化した機体が多い。

「動翼」
飛行機に付けられている舵。
方向舵(ラダー):垂直尾翼に設けられており左右の方向性を決定する。ラダーペダル/フットバーにより操作される。
昇降舵(エレベータ/スタビレーター):水平尾翼に設けられている場合(エレベータ)、水平尾翼全体が動く場合(スタビレーター)があり、上昇、下降の方向性を決定する。操縦桿/操縦輪の前傾、後傾により操作される。
差動補助翼(エルロン):主翼に設けられており、機体を旋回させる時の傾きを決定する。操縦桿/操縦輪を左右に傾けるか、回す事により操作される。左右の補助翼が互いに逆方向に動く。
3次元の空間を移動する乗り物である為か、舵も3つ設けられている。

「高揚力装置」
離着陸の際に揚力を増加させる装置、主翼に設けられている。
フラップ(下げ翼)、スラット(隙間翼)等数種類がある。
前縁、後縁共に設けられ主翼の両面を流れる気流を操作する事により、揚力を増加させる。

「旋回特性」
プロペラ推進の飛行機の場合、単発機(エンジンが1つ)、多発機(エンジンが2つ以上)でプロペラの回転方向が同じ場合は、左右の旋回特性に差が生じる。多くの飛行機が採用している操縦席から、見て時計回りのプロペラの場合は、反時計回りの反動トルクが生じる為、左の方が右より旋回しやすくなる。
少数派ではあるが、反時計回りのプロペラの機体もある、代表例としては、日本航空機製造YS-11旅客機がある。
現在も日本エアーコュミーター(JAC)機として現役で活躍中です。この機体に乗務することになった操縦士は、それまでの飛行訓練で慣れ親しんだ機体とは、逆方向の操舵を否応なく要求されるのでさぞかし苦労されたと思います。
詳しくは、「船長兼機長のつぶやき」の項「プロペラ/ローター/回転翼」のコラムを参照されて下さい。

「航空用エンジンの種類と使用燃料」
航空用エンジンの場合、ピストン(レシプロ)エンジンとガスタービンエンジンの2つに大別されます。
ピストン(レシプロ)エンジンは、第2次世界大戦までの航空機では主流でしたが、現在は小型の航空機が主流ですね。
作動工程により、4ストロークサイクル、2ストロークサイクル、着火方式により電気点火、圧縮着火(ディーゼル)の各種類があります。主に4ストロークサイクル、電気点火エンジンが使われています。余談ですが、2ストロークサイクル、圧縮着火(ディーゼル)エンジンが第1次世界大戦中のドイツのツェッペリン飛行船に使用されていました。
ガスタービンエンジンは、第2次世界大戦末期のドイツ戦闘機、爆撃機に実用化されたのが最初です。現在は、〔「重航空機」:空気より重く、何らかの手段により揚力を発生させ飛行するもの。〕の主流エンジンですね。ジェットエンジンと言われるものは、この中のターボジェットエンジンとターボファンエンジンを指しています。
ターボファンエンジンは、ターボジェットエンジンに比べて燃費が良いので、現在の飛行機の主流エンジンです。他にターボプロップエンジン、ターボシャフトエンジンがあります。
ターボプロップエンジンは、ガスタービンエンジンで、プロペラを駆動する、エンジンで主にビジネス機、近距離旅客機、輸送機、対潜哨戒機などの比較的低速の機体に使われています。
ターボシャフトエンジンは、現在のヘリコプターの主流エンジンです。軽量で大出力を発揮できるので、まさしく最適のエンジンといえます。
使用燃料についてですが、ピストン(レシプロ)エンジンはガソリン燃料、ガスタービンエンジンはジェット燃料ですね。
ガソリン燃料は、通称、アブガス、AVGAS(Aviation Gasoline)と呼ばれ、オクタン価で80(赤色)、100LL(青色)、100(緑色)の3種類が使用されています。
自動車用ガソリンと違い、全て4エチル鉛が添加されており(有鉛ガソリン)、非常に環境には優しくありません。
余談ですが、1990年代の日本国内オートバイレース、四輪自動車レースには使用されていました。
ジェット燃料は、JET-A、JET-A1、JET-5、JP-4の4種類に分けられます。この内、JET-A、JET-A1、JET-5はケロシン(灯油)を主成分としています。
JP-4は、ナフサ(工業用ガソリン)とケロシン(灯油)を混合した燃料です。

「セスナ・エアクラフト・カンパニー」
アメリカ合衆国、カンサス州、Wichitaに本社を置く航空機メーカー。特に単発軽飛行機 モデル172(愛称スカイホーク)シリーズは、世界中で圧倒的なシェアを誇る。1956年の初登場以来、1998年発表の最新型172S型に至るまで、改良を重ねながら現在世界累計販売数35000機以上を誇っている。これは航空機として単一機種で世界最多の数値となっている。高翼で視界が広く、汎用性が高いのが特徴で、練習機としては安定性が高いので民間操縦訓練施設の殆どで採用されている。かくいう私も、北九州空港でモデル172P型にて訓練を重ね、初単独飛行に成功しました。
同社の製品としては、単発軽飛行機でモデル150/152、182(愛称スカイレーン)、206(愛称ステーションエア)、208(愛称キャラバン)、210(愛称センチュリオン)などがあり、多発機としては、モデル303(愛称クルセーダー)、310、337(愛称スカイマスター)、421(愛称ゴールデンイーグル)、サイテーション、T-37(愛称ドラゴンフライ)などがある。

「軽飛行機とは?」
国土交通省規則「耐空審査要領」で、N、U、A類に分類され、最大離陸重量が5700kg以下とされる飛行機。エンジンの装備機数は問われないが、単発か双発が殆どである。
メーカーとしては、セスナ社、ビーチクラフト社、パイパー社、ムーニー社(以上アメリカ)、ソカタ社(フランス)、富士重工業、三菱重工業(以上日本)などがある。富士重工業の製品としては、モデル FA-200-160/180(愛称エアロスバル)、三菱重工業の製品としては、モデル MU-2、MU-300があった。
因みに富士重工業の前身は、第2次世界大戦中の飛行機メーカー中島飛行機、三菱重工業は第2次世界大戦中、零式艦上戦闘機(ゼロ戦)を開発し、製造していた。

「ジュラルミン」
ジュラルミンとは、アルミニウムと銅、マグネシウムなどとの合金です。
純アルミニウムは軽量でありますが、強度は大きくないです。これに銅などを加え、熱処理(溶体化処理)を加えることにより、軽量でありながら十分な強度を持たせることができます。その強度と軽さから航空機の材料に利用されます。
発端は1906年ドイツのデュレンでウィルム(Alfred Wilm)によって偶然に発見されました。このデュレンとアルミニウムの合成語がジュラルミンです。また、ウィルムによって、ジュラルミンの時効硬化現象が見出されました。もともとは薬莢の材料として銅と亜鉛の合金の黄銅を用いていましたが、もっと軽いアルミニウムを銅と混ぜたらよいのではないかという発想から得られたものです。結果としてその試みは失敗しましたが思わぬ大きな成果を得ました。
1910年代、ツェッペリン飛行船やユンカースの輸送機への導入を機に、航空機用資材として広く用いられるようになりました。日本のゼロ戦にも超々ジュラルミンが採用されました。

写真は、セスナ152型機を操縦中の管理人。

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