『私の愛読書』

「一下士官のビルマ戦記/三浦徳平」(葦書房刊)
太平洋戦争に実際に戦闘員として従軍した著者の手記。陸軍歩兵部隊の戦闘の実態の描写が非常に事細やかに描かれている。現地人との交流、飢餓状況下の行軍の実験、象狩りなど戦闘状況下にない時の日常の描写も素晴しいです。

「大空のサムライ/坂井三郎」(光人社刊)正、続、戦話の各編あり
名機と言われる三菱零式艦上戦闘機(零戦)を操り、敗戦まで64機を撃墜した旧日本海軍を代表する戦闘機パイロットの空戦手記。著者は、海軍水兵から出発し、戦艦副砲手の地位を捨てて、操縦士を志し、見事操縦士となってからも日々の訓練により、視力、燃料節約量等の数々の記録を樹立する。総撃墜機数64は終戦まで生き残った操縦士の中では、最高である。手記中で述べられている、「生への執着」の執念は、極限状況下において「生死の分かれ目」の生きる側になった者全ての精神に共通している。敵機を撃墜した空戦理論、技術についても触れられており著者の操縦技量の一端を窺い知る事が出来る。私も飛行機操縦士の端くれですが、最高峰クラスの技術の一端に触れてわくわくしました。

「嗚呼、伊号潜水艦/板倉光馬」(光人社刊)
新鋭艦、老朽艦を問わず、乗組員を徹底した、訓練により鍛え上げ、急速潜行、急速浮上にかかる時間を徹底して短縮し、一度出撃すれば異常なまでの用心深さで、数々の修羅場を潜り抜け、一度も自艦を沈没させなかった著者。旧海軍において「不沈の潜水艦長」と謳われた潜水艦長の海戦手記。
過酷な訓練の実際、輸送船への魚雷攻撃、駆逐艦との対決、離島に取り残された、友軍部隊への物資輸送など様々な場面の描写は素晴しい。

「ザ・グリンベレー/柘植久慶」(原書房刊)
著者は、慶応義塾大学1年生の夏休みに、コンゴ動乱に戦闘員として参加し、以後、フランス陸軍外人部隊、ラオス王国政府軍と渡り歩き、ベトナム戦争中にアメリカ陸軍特殊部隊(グリンベレー)Aチーム指揮官大尉として任官する。
訓練の詳細から、13回に渡る実戦の描写は生々しい。
近代の特殊戦争、対ゲリラ戦を生き抜いてきた指揮官として著者は、日本人には稀有の存在です。


理由

どうしても、戦争体験記に類するものが多いですが、これは私が「極限状況下においてどの様な人が結果的に生き抜いてきたか」と言う事に強い関心を持っていたからです。
2005.3.20 発生の福岡西方沖地震をはじめとする、様々な自然災害、テロ、戦争と平和な日本においても極限状況と言うのは何時、私達に降りかかって来るか解りません。その時にどの様に対処するかによって生死が分かれてきます。
飛行機、船を操縦する私にとって、墜落や海難の極限状況は常に付きまとってきます。やはり私としては、「生き残る側」に回りたいですね・・・そのための知識や心構えを少しでも多く、先人達から吸収していたいんです。

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